2016年夏に上映されたアニメ映画「君の名は。」
評判が良く、2018年1月に地上波でも放送が決まり、今なお多くの人に愛されている作品です。
その「君の名は。」を30回は少なくとも視聴した私が、様々な視点で考察したり、マニアックな小ネタ・見どころを紹介したりしていきます。毎週1回、「君の名は。」の新しい発見を読者の皆様に届けていきたいと思います。
第2回は、瀧が片想いしたバイト先のマドンナ、奥寺先輩についてです。彼女もヒロインかというほどのハイスペックな一面を色々紹介します。
1.映画版で伝わる、彼女の恋の本気度
小説版の方では、奥寺先輩のスペックの高さが存分に書かれています。三葉視点では、彼女の笑顔に対して「今日東京で見たもので一番尊い最強の笑顔」と評し、瀧視点では「アイドルみたいな女優みたいなミス日本みたいな」と評されています。一方、映画版では彼女の内面の魅力が見えてきます。
例えば、民宿でタバコを吸いながら司と話すシーンは映画版のみです。そこで「好きだったんだ、瀧くんのこと」と過去形で話します。瀧が嫌がるかなと思って禁煙していたと思うと、本気で瀧が好きだったんだと伝わります。
2.相手を立てる、思いやれる
とはいえ瀧に執着するわけでもありません。瀧の心が違うところにあると分かるやいなや、瀧への対応は恋人のそれではなくなります。岐阜へ向かう新幹線で瀧に微笑む様子は母親みたいです。そして最後に、瀧に「君もいつか、ちゃんと幸せになりなさい」と、婚約指輪をはめた手で別れの挨拶をします(小説版ではレストラン内でのセリフ)。自分の幸せだけでなく、相手の幸せを心から願える奥寺先輩は、素敵な人だと思います。
他にも「来ちゃった」や、ゆるキャラの前で「かわいいー♡」と足をバタバタさせる仕草など、美人の奥寺先輩のかわいい行動というギャップも男心をくすぐります。結論、外面も内面もパーフェクト美女だということです。
いかがでしたでしょうか。シナリオや風景がピックアップされやすい新海誠作品ですが、キャラクターの設定も掘り下げると、魅力が再発見されますよ。
次回のテーマは「糸守町Before&After」です。