ワンピースが100巻まで続けられる理由

一昔前に比べて随分と漫画の長期連載化が進んでいます。

例えばワンピースは既に70巻だし、ナルトもブリーチも50巻を遥かに超えて連載が続いています。 これはジャンプが人気漫画を継続させるノウハウを持ったからだと考えられます。

例えば一昔前のヒットまんがを振り返ると、ドラゴンボール42巻、スラムダンク31巻、幽遊白書に関しては19巻です。更に振り返ると社会現象だったといっても過言ではない北斗の拳ですら27巻です。そしてジャンプは人気連載が終わるたびに発行部数を落として来ました。そこで人気連載は終わらせないようにしたいわけです。しかし北斗の拳のラオウとの宿命の対決は15巻です。そしてそのあと無理やり連載を続けさせるわけですが話が盛り上るはずもなく、用意していた伏線もなく、何故か急にラオウの兄が出てきたりする無理のある展開に人気が急落します。これはセイントセイヤの12宮殿編が終わったあともそうでしたし、人気まんがでも最初に用意していた”第一部”的なものが終わると人気が急激に落ちるということを免れませんでした。

同じパターンでしたがドラゴンボールはフリーザ編のあとも人気が続きました。スラムダンクも最初から用意されていた仙道率いる綾南との戦いが終わっても人気を維持できました。しかし物語的には、そこからもう一度盛り上げるのは非常に無理のある事でした。両作品とも、もう一度盛り上げられたのは作者の力量と言うしかありません。しかしそれでも無理しては続かずドラゴンボール、スラムダンク、幽遊白書などが相次いで連載終了。それぞれ物語的に終わるしかない所まで行き着いて終わるべくして終わりました。

その後始まったジャンプのヒット漫画はそういった物語上の行き詰まりを生み出さないように工夫されています。シンプルに言えば、1巻、2巻あたりで出てきた終生のライバルとの決戦は最後までしないという事です。ワンピースで言えば、憧れであり目標であるシャンクス。70巻まで来ましたがシャンクスは未だに遥かに遠い存在です。ナルトで言えばサスケ。ライバル関係から初めて最後の敵になるのか、はたまた味方になるのかという構造です。
ハンターハンターは、更に巧妙でヒソカというキャラクターを立てて起きながらもジンの存在を常に匂わせていました。ハンターハンターは現在の展開を見ると終わりに近いのかもしれません。物語的には、少し難しくなってきています。キルアがサスケのように最後の敵になるのも無理があるでしょう。

もし北斗の拳が2000年代に連載していたらラオウとの決戦は50巻以降になったでしょう。ジャンプ以外でも、このもったいぶりの技法を効果的に使っているのは、はじめの一歩です。宮田と一歩はどうしても戦えない。雑誌での掲載順位が下がって来ない限りは実現しないと思います。ブリーチはドラゴンボール方式で一つ一つ話がきれいに終わるので続けるのがきついモデルです。ルフィがシャンクス越えしてワンピースが終わるとしたら、ルフィの実力がシャンクスに追いつかないといけません。現在のルフィの実力をシャンクスに対して20%程度だと仮定したらあと5倍の時間=巻数が必要だと考えて350巻くらいまで時間が必要かもしれません。連載開始から16年なので5倍の時間というと、80年で、すでに20%までは来ているので残り64年です。健康に気をつけて長生きしよう。

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