宮沢賢治的世界とあまりに美しい画面に見入る。 【レビュー】 眠寝太郎現る!! 読み切り 週刊少年ジャンプ2014年19号

家庭教師ヒットマンREBORN!の天野明の読み切り

テーマが斬新で「眠気」を中心に話が進みます。これ眠気がテーマなのかなと前半を読んでる途中は感じました。眠気というと、日本人の睡眠は足りてないとか、健康法的な番組で身体に良い睡眠が紹介されたりとか、ぼく自身この作品を読んでいた時眠かったので(つまらなくて眠いとかじゃなくて時間的な問題で)ちょうど引き込まれました。目が冴えましたよ。

月刊アフタヌーンに載ってそうな作品

『ディスコミュニケーション 植芝理一』を思い出しました。別にそれほど似ていませんが肌触りに似たものを感じます。で、テーマですが「眠気」ではなく「夢」ですね。夢の世界の話というか、夢が何かというような話で、宮沢賢治的な美しさのある物語です。作者の絵がそもそも非常に幻想的で凄く作品とあっていてページを捲るだけでも価値がありますね。いやあ、魅力ある画力だな。

ちょっと設定詰め込みすぎ

連載用のプロトタイプなんでしょうか?ちょっと設定詰め込みすぎで、凄い勢いで説明されるんですが理解するのがめんどくさくなりました。物語序盤のワクワク感と幻想感、ふわふわ感的な、が、一気に理系な感じで論理的に説明されるのは辛かったです。いや、もったいない。さらに言えば少年漫画的なクライマックスシーンがあるのですが、要するにそれがいらなかったなと。トン子と寝太郎の交流が魅力的なので、そこを丁寧に描くだけで良かった気がしました。それにしたって画面が美しくて惚れ惚れしますよ。