12話で無念の打ち切り。 【感想】 新海綴の読解禄 第12話 最終回

3ヶ月で終わってしまった

この連載がはじまったとき、第一話を読んで、素直に面白いと感じました。ミステリーものなのに、殺人事件じゃないので、後味がいい。トリックは、それほど奇想天外なものではないけど、文学と絡めていて新しい感触がある。なにより1話完結でしっかりと楽しめる。なかなか贅沢で、よくできた作品でした。

1話で完結しなくなった

ただ、何話か経過したあと、物語は一話で完結しなくなりました。そもそも殺人事件じゃないですから、緊張感が、それほどないんですね。本がなくなったとか、そういう事件で週を越すのは無理があったのかもしれません。一話完結で、高品質な話を毎週読めると期待していたので、そこが残念でした。

文学と事件が、あまり噛み合っていない

一番のポイントである、文学をメタファーとした事件が起こる部分ですが、それがあまり噛み合っていないんですね。蜘蛛の糸を題材にした話には期待していましたが、どのあたりが蜘蛛の糸っぽいか、よくわかりませんでした。普通に運動部とかの話にして、自分だけが目立とうとする奴が、反省するみたいなベタなものでもよかったと思います。

最後の悪あがき。殺人事件

で、人を殺さないミステリーが売りだったのに、それも捨てて、最後には殺人事件まで起こります。これは残念でした。普通に学校で起こる謎なトラブルを綴が解決していくところが好きだったのに。

終わってしまった理由

この作品は、長期連載も狙えた作品だと思っています。

1話完結
文学としっかりと絡む
学園の中でありそうなリアルな事件

この3つをしっかりとやっていけば、もっと継続したファンがついたと思いますが、いかがでしょうか。結局、1話完結も、文学も、日常的な事件も、すべてを捨て去ってわずか3ヶ月で、この日を迎えました。連載当初期待した読者の一人として無念です