無限月読の可能性と限界。 【感想】 NARUTO -ナルト- 第678話

無限月読

人類すべてを悩みや苦しみのない幻覚の世界へと連れていく。そしてそれこそが、すべての人の幸せ。
こういうたぐいの技って、漫画では昔からよく聞きますね。で、主人公側が、「苦しみとかがあるから、幸せがあるんだー」みたいな哲学で相手をやっつけるわけです。まあ、みんなが幻想の世界で生きていくってのは変な話ですから、それはノーマルな結論でいいんですけど。逆はないんですかね。

それぞれの理想の世界

今週は、登場人物それぞれの理想の世界が描かれました。要するに彼らが見ている幻覚の世界ですね。
イノの幻覚なんかは非常にかわいらしいもので、こういう夢とか見たら幸せなんだろうなっていう程度のものです。たいして我愛羅の幻覚のように死んでしまった人たちが登場するものだと、現実世界では実現しませんので、悲しい幻覚です。

幻覚で人を支配する中での疑問

このまますべての人たちが無限月読で幻覚に支配され続けたらどうなるのでしょうか?
脳内には幻覚が現れ続けますが、実際には、どんな行動も起こされていません。すると老化して死んでいくだけなのでしょうか。その場合、年老いて最後の一人が死ねば人類が絶滅するということですね。これがマダラの狙いだとしたら、相当に恐ろしいものです。全人類に幸せな老衰を与えるということでしょうか。

繁殖を行ったら

マダラが何らかの方法で繁殖を行ったとします。遺伝子を取り出したりして。しかし、それで生まれてくる子供は基本的に幻覚の世界しか知りませんね。そもそも幻覚でみんなが見ているのは過去の幸せだった1時期か、あるいは未来の想像です。どちらを見るにも、そもそもの実態のある生活体験が必要です。
そういったものが最初からない子どもたちに、どのような幻覚を見せるでしょうか。2世代目にして、幻覚すらもない世界が生まれてしまいます。

ということで、やっぱりマダラはやっつけるしかない

で、当たり前の結論なのですが、マダラの作った無限月読の世界には未来がないので、やっぱりマダラの考えは間違っていて彼はやっつけるしかないですね。今、生きている人たちが幻覚で救われるとしても、未来に繋ぐべき、まだ生まれてない子どもたちの人生がなくなってしまうからです。
ということで、「ナルトがんばれー」という月並みな感想になりました。