『暗殺教室』に学ぶ、教育・子育て論【4】

 『暗殺教室』に学ぶ、教育・子育て論! 

 現役塾講師の視点で解説します(全5回)

 第4回は“2周目の時間”“1周目の時間”“渚の時間”(単行本第13巻収録)からです。話のメインの人物は“潮田渚・広海親子”です。

 自身の暗殺の才能を実感した渚。進路相談にて「殺し屋になるべきか」と殺せんせーに問う。殺せんせーは、どのようにしてその才能が開花したのか再び見つめ直して、また相談に来るように言います。その後、渚の母、広海が渚や殺せんせーに対して、教育の思いを語るが、それは母親が出来なかったことを渚に叶わせようとしているだけだった…。

 広海の子育て論は、「失敗を経験している親が道を造ってあげる」「障害物を取り除く」といったものです。親が叶わなかった夢を子どもに託すべく、英才教育やプラン作りをすることは決して否定しません。しかし、度が過ぎると、親が「支配者」となり、子どもが親の顔色を窺って考えるようになります。「自分がやりたいこと」より「親を悲しませないこと」が優先になります。また、親が出した答えが全てという、やせた考えにもなります。

 一方、殺せんせーは、渚に答えを教えるでなく、考えさせる時間を与えました。それは渚自身が納得して前進できるようにと推測できます。さらに、この「答えを自ら出す」姿勢は、現実の2020年大学入試にも求められます。

 こちらが問題の一例です。「公立図書館の今後の在り方」に明確な答えはありません。よって、知識だけでなく、体験したことや将来の予測等を含めて、筋の通った結論を出すのです。

 この問題を自分の言葉で答えるためにも、「考える時間を与える」ことは重要なのです。そしてそれを阻害するのは、教育熱心なお母さんや先生なのです。 

 お母さん、子どもを心配するあまり、綺麗に道を整備し過ぎてませんか?石につまずいて痛みを学ぶ機会を奪ってませんか?

 個別指導のアルバイトをしている学生さん、貴方の教え子が、貴方の言うことを聞くだけになってませんか?

 「教え過ぎない」「口出ししたいのをグッとこらえて、子ども自身に気づかせる」

 そういった時間を作ってみて下さい。

 いかがでしたか。

 次回は“殺せんせー・浅野學峯(理事長)”です

(そのかわ ゆうじ) 

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