ただのギャンブル漫画とは言わせない別格の青年漫画 嘘喰い 感想 レビュー 

嘘喰いとはどういう話なのか

冴えない青年梶隆臣はパチンコ店で斑目獏という男とひょんなことから知り合うことになる。最初は梶の借金返済を手伝うなどいくつかのトラブルを片付けてくれるすごい人と思っていたが、彼が「嘘喰い」と過去に呼ばれていたこと、ギャンブルを取り仕切る「賭郎」という組織を梶は知り、その後次第に裏社会のギャンブルへ巻き込まれていくというのがこの漫画のストーリーです。簡単にジャンル分けをするといわゆるカイジやライアーゲームのようなギャンブル漫画というジャンルに入りますが、この漫画で出てくるゲームの多くがオリジナルであり、様々な工夫と単純なゲーム内容のため案外友人と出来てしまいます(もちろん実際にお金を賭ける行為は辞めましょう)。

ギャンブルの近くに暴力あり

さて、先程も言ったとおりこの漫画はギャンブル漫画ですが、他のギャンブル漫画と比べ全く異なることがあります。それは暴力シーンが多くあることです。他の漫画では心理戦だけがメインですが、実際裏社会においてギャンブルだけで決着がつくのでしょうか。改めて考えるとそんな簡単にはいかないはずです。必ずギャンブルには暴力が影を潜めているのです、漫画の中でもギャンブル負けたのに読んでおいた不良どもを使って主人公たちを襲おうとするシーンがあったり、主人公の仲間と個性豊かな敵がギャンブルの結果をめぐって戦ったりしています。その格闘シーンも読んでいる側をハラハラさせており、少しグロテスクなシーンもありますがそこがさらに格闘のリアリティを演出してくれます。

お気に入りはどれ?「賭郎」と「立会人」

この漫画において切っても切れない存在がギャンブルを取り仕切る組織「賭郎」です。詳しく言うと、賭郎会員達のためにギャンブルを提供したり、そのギャンブルが公平かどうかを見守ったり、不正者を粛清する組織です。その中でもギャンブルを見守ったり、進行役をするのが「立会人」と呼ばれる頭脳明細、並外れた格闘技術を持つ人々です。ギャンブルごとに様々な「立会人」が現れており、「立会人」一最強と呼ばれる夜行妃古壱や車いすの能輪美年、やる気無さそうな弥鱈悠助など沢山個性豊かな「立会人」がいます。また、「賭郎」の仕組みにより「立会人」同士の戦いもあり、これも見どころの一つといえます。一人お気に入りの「立会人」を見つけて、今後どうストーリーに関係していくのかという読み方でも楽しめるはずです。

おまけ漫画なのに不安すぎる

多くの漫画で作者の日常やアナザーストーリーといったおまけ漫画が書かれているパターンがよくあります。それらは本来面白かったり、どんな感じに書いているのかといったことを学ぶことが出来ます。嘘喰いにもそんなおまけ漫画あるのですが、不安定すぎで面白いどころか不安にさせられます。ネタバレになるためきちんとしたことは言えませんが、このおまけ漫画は3つに分かれており、今現在の3つめの漫画は作者である迫稔雄さんの話なので安定していますが、これから初めて嘘喰いを読みつづけようとしている方は最初の2つのおまけ漫画において本当に不安になります。しかし、本編のほうがしっかりと面白いので安心してください。おまけなのに不安になるという不思議な感覚にもこの漫画を読むことで感じられます。

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