笑ゥせぇるすまん「たのもしい顔」より ~なぜ成功している人が堕ちるのか~

前回は、約束を破るメカニズムを記しました。

今回は「なぜ成功している人が堕ちるのか」です。それぞれの話の登場人物は、それなりに生活水準が安定している人が多いです。家庭があったり立派な仕事があったり、仕事でも重役ポジションだったり…しかし、喪黒の誘惑に乗ってしまいます。何故なのか。それをアニメ1話「たのもしい顔」の例にして説明します。

【あらすじ】

頼母(41)は、幸せな家庭に部長職。一見、成功した人生を歩んでいるように見える。しかし、周囲の期待の目に一日中応える暮らしに、ついに限界が…。

この話のポイントは、

1.なぜ頼母が幸せそうに見えないのか

2.なぜ喪黒に最後、委ねてしまったのか

この2点です。

まず「幸せそうに見えない」のは、頼母が、自分の本心で生きていないからです。周囲と比較して「頼もしい顔をしている」ということで、頼もしい人を演じ続けてきた頼母の人格や人生は、周りによって作られたと言えます。家族にすら弱い自分を晒せないのは大変な心労でしょう。

加えて、裕福な立場にいることと幸福度は実は比例しません。心理学専門のダニエル・カーネマン教授は、年収が780万を超えると収入の増加による幸福度が増えないことを発表しています。

次に「なぜ喪黒に委ねたか」は、選択肢が、心の拠り所が喪黒しかいなかったからと思います。会社でキレた後、一人でバーに行きますが、ここで打ち明け話の出来る友人や身内がいれば、喪黒に頼らなかったでしょう。

また、成功者の中には「これまで自分一人で困難を解決してきた」ということを信念に持っている人もいます。最後に酔った状態ですがるように喪黒に連絡しますが、酒の力を借りての、最終手段だったと推察できます。

喪黒によって「甘えたい」という願いは叶いますが、おそらく多くのものを失ったでしょう。我々はこうした0か100ではなく、バランスよく心の健康を保つ方法を考えましょう。

例えば、自分のことを誰も知らない場所で、一人の時間を作ることはとても有効です。人は周囲と自分を比較して、自己形成をするように出来ています。これを「社会的比較理論」といいます。芥川賞を受賞した「コンビニ人間」で、主人公は店長や同僚と、口ぶりや服装が似てきます。これも社会的比較理論で説明できます。しかし、度が過ぎると自分の人生を生きなくなります。「SNS疲れ」も同じです。

ネットでつながりやすい世の中だからこそ、一人旅や少し遠くのカフェなどで、自分の時間を作ることを強くおススメします。

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