笑ゥせぇるすまん「老顔若体」より ~なぜ約束を破ってしまうのか~

藤子不二雄A先生の作品「笑ぅせぇるすまん」は、

セールスマンの喪黒福造が「心のスキマ」と称する人間の心の歪みに迫るショートストーリーです。30年近く前の作品ながら、現代にも通じる考え方が随所に見られます。

よって、作中の言動から「どうすれば破滅を免れるのか」を、心理学や教育者の視点で分析・解説します。

今回は「なぜ約束を破ってしまうのか」です。“喪黒が提示した約束を破り、破滅する”というパターンはよく出てきます。それは喪黒が本気で約束を守らせるつもりがないからです。それをアニメ53話「老顔若体」の例にして説明します。

【あらすじ】

顔の若さが自慢の出雲(73)の悩みは、肉体が年相応に衰えていること。喪黒が与えた特製鉄アレイで念願の肉体になったが、喪黒の忠告を破ってしまい・・・。

喪黒は「ほどほどに」「若い女の子にハッスルしないで」とだけ忠告しました。しかし、本気で警告するならばこれでは弱いです(絶対わざとです)。

例えば全力で止めるなら

①約束を破ったらどうなるかを明確に伝える

…約束を破った出雲は急激に衰え、見るも堪えない姿に成り果てます。もし彼がここまでの代償を払わなければいけないと知っていたら、結果は変わっていたかもしれません。

②間違いをしないよう、具体的な指示を出す

…約束を破る可能性がある場所や行動をさせない工夫をします。出雲はスナックを訪れ、女性と一夜を過ごしました。リスクの高い場所に、力ずくでも行かせないという手段もあったはずです。

教育にも応用できます。「勉強しなさい」と言うのは簡単です。しかし、その効果が薄いかほとんどないのは「笑ゥせぇるすまん」が証明しています。子どもの勉強を横で見たり、勉強の時間を管理したりするといった、行動に移すだけでも効果は変わるとされています※1

具体的な指示で、正しい行動に導くことは周囲を幸福にします。ぜひ心に留めてみて下さい。

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※1 学力の経済学(中室牧子 著)より

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