サッカー漫画考察 サポーターのあるべき姿「ジャイキリ」田沼吾郎編

「ジャイキリ」のETUサポーターには、幅広い年齢や職業の人達が登場します。今回はその中でも、年配のキャラクターの田沼吾郎にスポットを当ててみたいと思います。

八百屋を営む田沼吾郎は、監督である達海猛が現役選手だった頃からの古参サポーターですが、達海がチームを辞めたと同じ位にスタジアムへ足を運ばなくなり、達海が監督となって戻ってきたと同時にまたスタジアムへ再び通うようになりました。

達海が居なくなったETUの応援を立て直し、東京スカルズまで組織した羽田からすれば、彼の行動は面白くないのは当然で、「俺たちはどんな時でもチームを見捨てたりしない 死んでもあんたらみてえにはならねえよ」とまで言い捨てています。

これは、昔は強豪と言われたチームでよくありそうなことで、強かった時にスタジアムに来ていたサポーターが、お目当ての選手の移籍や、チームの不振などがきっかけで足を運ばなくなり、残ったサポーターが苦労して再び形を作っていく…そんな光景にも繋がっています。苦しい時代を知っている人間からすれば、いい時代にしかスタジアムに足を運ばない人間は面白くないのは当然でしょう。

では、吾郎はETUのことを全く気にしていなかったのでしょうか?そんなことはないと思います。家に飾ってあった達海の現役時代の写真が物語っています。仕事や家庭に追われ、スタジアムに足を運ぶ機会を失った、あるいはそうせざるを得ない状況が、吾郎をそうさせてしまったのかも知れません。若い人からすれば、言い訳にしか聞こえないでしょうけど。

Jリーグも発足から25年が経ちました。当時若者だった人の中にも、連載当初の吾郎のような人が多くいることと思います。そういう人が居たら、再びスタジアムへ足を運んでもらいたいし、また、スタジアムでそういう人を見かけたら、羽田のように邪険にせず、快くとはいかなくても、迎え入れて欲しいと思います。そうすることで、チームがそしてサッカーという競技が盛り上がるのだから…。

追記

吾郎に意見していたバックスタンドで何年も観戦を続けていたおじいさんたちが、筆者に近い立場ですが、私自身はまだまだおじいさんではありませんので(笑)、あしからず。

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