テンポのいい卓球漫画。 【感想】 卓上のアゲハ 作者:古屋樹 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年30号

テンポのいい卓球漫画

読みやすくて、ノリのいい卓球漫画です。主人公ははやりのメガネ系男子で、女に興味がない系ですが、ムッツリです。そのムッツリ加減が面白くて、今まで見たムッツリの中で一番、爽やかなムッツリです。不思議な感じです。

ヒロインの破天荒な性格がストーリーを動かす

全体的に恋愛要素たっぷりのスポーツマンガなのですが、あだち充的なわけではなく、なんというか、高橋留美子的ですね。お色気あり、主張の激しいヒロインあり、しかもヒロインが物語を動かしていくというのは、すこし新しいです。

主人公のかっこよさとヒロインの可愛さ

主人公は、なんというか独特なかっこよさがあります。正統派主人公というよりかは曲者系主人公で、ハイキューで言うと日向というか影山ですね。見た目もなんか影山っぽい。で、ヒロインは、まあ、自分がモテることがわかっていて、そこにプライドを持っているというタイプ。性格はギリギリ悪いとは言い切れないかっていう感じで、なかなか見ていて楽しいキャラ設定です。個性あります。

もし連載になったら

恋愛要素を、しっかりと押していくと面白いと思いますね。卓球の試合は、それほどページ数を割かないほうがよさそうです。卓球を題材にしたニセコイって感じでいくのが一番かと。

 

たぶんワールドトリガーが休載だったから代打で。 【感想】 アヌ中 作者:萩原裕一 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年30号

たぶんワールドトリガーが救済だったから代打で

今週は、ワールドトリガーお休みしますのあとに、これが、その代わりですと言わんばかりに掲載されていた特別読み切り作品です。なかなかドタバタ感があります。

エジプト神話のアヌビス

彼らがピラミッドっぽいところを学校にして日常生活を送っている場面を題材にしています。そこに、なぜか迷い込んだ人間を中心に物語が展開します。なんというか、藤子・F・不二雄のSF短編のような肌触りで、なぜか迷い込んだ人間うんぬんは、短編「カンビュセスの籤」を思わせます。そして人間とアヌビスの関係が「ミノタウロスの皿」を感じさせます。

読み飛ばさないでほしい

ちゃんと読んでほしい作品です。オチもロクにないし、盛り上がったりもしないのですが、読んだことのない不思議な空気に溢れていて、いろいろと狙いまくったギャグ漫画よりも好きですね

赤塚賞準入選作家

こういう作品を入選させるわけですから赤塚不二夫の意思をしっかりと継承している賞ですね。すごいことです。
ギャグ漫画家ってのは、絵の技術を磨くわけでもないし、話しの面白さだけで勝負するわけですから、すごい職業ですね。がんばってほしい。

 

最近マガジンはコミュニケーション追求路線か? 【感想】 お友達から 作者:長門知大 読み切り 週刊少年マガジン 2014年29号

最近マガジンはコミュニケーション追求路線か?

聲の形がコミュニケーションを追求した作品で、いままでにない少年マガジンの新しい地平を切り開いていますが、今回の読み切り作品は、その方向性の作品です。もちろん、障害とかイジメとかを安易に描いているわけじゃなくて、作品の根底に流れるものが似ているというか、同じテーマというか。要するに「人間関係」と「心」を描いた作品です。

人付き合いがうまい男子となんでも本音な女子の物語

対人スタンスが180度違う二人がお互いのコミュニケーション手段に感化されながら、本当の自分の心と向き合っていく物語です。100%建前人間の男子と100%本音人間の女子。実は、普通人間ってどっちかが100%っていうのはないですね。これはある意味、一人の人間の心のなかの葛藤を、それぞれ別の人物として具現化して物語化したものです。作者がそういった意識で作ったとしたら、そうとうなものです。

よく心の中で天使と悪魔が戦う表現があるじゃないですか

あれと似たような感じで、戦ってるのは本音とタテマエ。で、心の中じゃなくて、現実で別人格の人間で存在しているような物語。男子の気持ちも女子の気持ちもすごくよく分かるのは、誰にでも存在している心の動きを丁寧に描き出しているからです。

連載とかだったらどういうふうにするんだろう

作者の長門さんはかなりの才能があると思いますが、こういう物語の方向性で連載になったらどういう物語になるのでしょうか。今回の読み切りで話しに無駄がなく非常によくできてるんですね。どうやったって間延びした感じになってしまうと思うんですけど、面白く調理して連載して欲しいですね。最後の男子の「叫び」は最高でした。涙出ましたね。ああいうのに弱いんです。ちゃぶ台返すぜ俺だって。

 

W杯決勝戦へ望む伊藤ヒロの背番号も13番。 【感想】 シュート マラカナンの伝説 作者:大島司 特別読み切り

あの「シュート」が復活。

ブラジルワールドカップに向けて、サッカー漫画の金字塔シュートが読み切りで復活しました。物語はW杯決勝の前日から試合序盤にかけてです。
主人公たちの年齢は明記されてませんでしたが、たぶんトシ達の世代が25歳くらいだと思います。

海外で成功している選手たち

海外でプレーしている選手が沢山いるのですが、みんなかなり成功しています。特にトシはレアル・マドリー所属で、リーガ・エスパニョーラの得点王を取った設定になっています。和広がアーセナルだったり神谷がユベントスだったりと、みんな凄いですね。確か、神谷のユベントスは本編の時から話題にでていた気がします。伊藤ヒロの所属チームがわからないのが残念です。個人的には、一番好きなキャラクターです。

ACミランの10番とかで、現実が漫画みたいだから

漫画はもっと漫画っぽくならなければいけません。最早、現実世界でミランの10番が日本人で、それ以外にも海外で活躍する選手が大勢いるくらいですから、漫画だったら、主人公がリーガで得点王でW杯の決勝の舞台に進んでも嘘くささがありません。これは5年前だったら、得点王とは言えなかったでしょうね。香川や岡崎の活躍があって、ここまでやってもギリギリ、リアリティがあるところまできました。

監督はラモス風

アモス監督という、顔はほとんどラモスな監督が出てきます。ブラジルワールドカップですから、ザック風が良かったと思いますが、ラモスジャパンも一度は見たいという夢でしょうね。カズをW杯に出してくれそうだしいいですよね。

高校サッカー漫画の主人公たちが大人になった話は

面白いですね。このまま、Jドリームとか、俺たちのフィールドとか、復活させてみてはどうでしょうか。ドカベンプロ野球編みたいに。キャプテン翼は、たまにやるんですけど、直ぐに終わっちゃうんですよね。あれはあれで続けて欲しい。

伊藤宏の背番号は13番

やはり、大久保嘉人選手のワールドカップ選出は関係有るのでしょうか?ヒロの背番号は13番です。彼は10番のプレーヤーだと思うんですけどね。トシは10番を着けてますけど、バリバリの9番ですね。神谷は7番がお気に入りみたいなので、そこを固定すると背番号は

神谷 7番 トップ下
和広 11番 右FW
トシ 9番 CF
ヒロ 10番 左FW

こんな感じのが背番号とプレーがまっちしてると思うんですよね。

ちなみに、それぞれの選手のプレースタイルってどうなんでしょうね。神谷はユベントスに行くくらいだからジダンのイメージでしょうか。
和広はぼくの中では結構前からカッサーノですね。読み返すたびにカッサーノな気がしてます。
トシはパワーとドリブルのあるフォワードですからね。しかも中央の。ドログバとかイブラとか、バティストゥータのイメージもありますね。
ヒロは、高校時代はまんまマラドーナでしたね。そんなに足は速くないでしょうね。パスもシュートもドリブルもうまいわけですよ彼は。

 

式神のデザインは気持ちわるくて見たくなる。 【レビュー】 式神トワイライトデイズ 作者:岩代俊明 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年28号

ジャンプは怪奇ものが多い

妖怪とか幽霊とか、そういう超常現象系を題材にした作品が、この雑誌は非常に多いですね。この読み切りもそのジャンルの作品です。作者の岩代さんは「みえるひと」を描いていた方です。確か「みえるひと」も心霊系な話でしたよね。ちょっと忘れ気味。

猟奇殺人事件と霊的ななにか

物語はバラバラ死体が発見される所からはじまります。バラバラ死体。しかも複数人数。そういった大事件から、実はその後ろに心霊現象や超常現象が、あるいは未確認生物が、なんてのは、ぼくは大好物です。伝説に扮して殺人犯が自分の罪を隠そうとするパターンも好きですが、「本当に犯人オバケかよ」ってのも好きです。そういう意味で、この作品はストライクでした。

ヒロインの設定が斬新でよい

ヒロインは20歳女性の探偵という突飛な設定です。これは少年誌のなかでは新しくていいですね。ジャンプの読者層が正確にわかりませんが、中高生にとっては20歳は結構お姉さん。しかもわりと憧れますよね。このヒロイン設定はわりと人気出るんじゃいかなと。

式神のデザインは気持ちわるくて見たくなる

妖怪というか式神なんですけど、チラチラと不気味な見た目のやつが出てくるんですね。しかも別にそいつらは味方です。なんとなく見てるだけで楽しい変な連中です。これは「ゲゲゲの鬼太郎」のような、魅力を感じます。二度見してしまう絶妙なデザインです。これだけでも一見の価値あります。

 

少し不気味なギャグ物語。 【感想】 ひとちがい 作者:森田俊平 読み切り 週刊少年マガジン 2014年27号

第92回新人賞佳作受賞作

いつも思うんですけど、なんで佳作なんでしょうね。大賞の人とかいないんでしょうか?
そもそも大賞なしって場合もありそうですが、大賞を取ったような新人は温存していきなり連載とか、そういうパターンでしょうかね。

青春系ギャグ漫画

高校生の男子と女子の二人の会話劇が展開するギャグ作品です。たった一つのアイデアを、うまく使いながら最後まで読ませます。連載になることは全然想像できませんが、この15ページには面白さが詰まっています。変に設定が込み入っていて疲れる読み切りが多いなか、このシンプルさとまとまりは良かったです。

見出し 「ブハッ」なる場所がちゃんとある凄さ

笑いどころが、しっかりとありました。なんとなく、面白いんじゃなくて作者が狙ってるところで笑ってしまった感じです。
最初の数ページは面白くもないボケがあえて繰り広げられるという展開なのですが、そこでもちょっと捻りがあって、これからはじまる物語に期待がわきます。なんか、女の子がちょっと不気味な感じにも見えてきて興味を惹かれました。

作品全体のオチはイマイチ

最後のページのオチは、それほどなくてもよかったかなと。そこまでで十分満足していたので、あの程度のオチならいらなかったかと思いました。もともと広げた風呂敷のなかでオチを付けて欲しかったですね。女子の母とかを使って。冒頭から母の存在は繰り返し登場しているわけですから、オチに登場するにはもってこいだったかと。

絵柄もなかなか魅力的

女の子がなかなかかわいくて魅力的です。まだ発展途上なのかもしれませんが、所々で見せる表情は魅力があります。毎週見たいかと言われれば、結構見たいというところでしょうか。

短編全力集中

毎週、こういう感じの全力投球な読み切りが掲載されていると楽しみが増しますね。短い中で完結するのがいいです。

 

銀魂風の緩さと、秀逸な設定。 【レビュー】 Hi-Fi CLUSTER 六攻特課事件実例 作者:後藤逸平 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年25号

人間をスマホに見立てた設定

人間=スマホ
才能=アプリ

そんなふうに見立てて設定された世界で物語は始まります。

言葉のセンスがいい。

才能に関する言及とか、それを吹き飛ばす主人公の一言とか、警察の定義とか、小気味よくて、それでゾクゾクきます。なんていうか、絵とかも含めて肌触りは銀魂風。

物語は終盤になってワクワク感が急来る

これは、連載しても面白いですね。新キャラクターの登場や、新しい能力の登場が気になり続けます。読者の期待を上回る能力やキャラクターをうまく出せれば、相当面白いんじゃないでしょうか。
そもそも、この読み切り自体、謎を残したままなのではっきりしてほしいですね。ちょっと中途半端じゃないですか。いやでも、これは設定も面白いし、貫寺のキャラクターもいいし、能力のアイデアもいいし、連載待ったなしですね。
最近ジャンプの読み切り凄いのがおおいな。

キャラクターの名前は意味がありそうだけど

主人公はぺーたですね。ipadあたりから来てるのでしょうか?なぜそう思ったかというと、ヒロインは菜乃という名前です。ipodnanoっぽいですよね。モチーフはスマホとアプリの関係ですから。で、そうすると貫寺晃作は?って話で、まったく思いつかないです。いや、誰か解読してくれないかな。名前のモチーフ。なんかありそうなんですよね。

 

ドSの貧乏神の性悪さが圧倒的。 【レビュー】 カミドリ 作者:池沢春人 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年24号

五エ門と八百万の神々

舞台は、石川五右衛門が活躍したであろう安土桃山時代あたりに見えます。主人公はイケメンの花形五エ門。石川五右衛門を完全に意識した人物ですが、見た目は全く新しい五右衛門像といえる超イケメン。この作者の絵は女性作家のような繊細さがあり、それが時代物と妙にあっていて、なんともいえない魅力があります。

大泥棒と神々

日本には、たくさんの神がいます。今までも様々な作品で題材にされて来ました。この作品も、そういったものですね。神さまウンチクもありながら、あまり知らないような神が出てきたり。神を出すということは、例えば、天照大神や、阿修羅明王なども、のちに登場する可能性があるということですから、好きな人には、ワクワク感がありますね。初期の孔雀王のような感じです。

毘沙門天とか期待しちゃうよな

時代背景は戦国時代が終わって間もない設定でしょうから、上杉謙信の毘沙門天とか期待しちゃいますよね。これは連載になってほしい。

主人公につきまとう貧乏神が面白い

貧乏神は、人間の不幸が好物で、それを探しているというものです。しかも不幸に遭遇している人間の心理状況が調味料となるらしく、主人公の「強がり」や「あまのじゃく」「負けず嫌い」などを楽しみます。苦境に落ちたときの人間の、最後の抵抗としての「心の動き」まで楽しむ性悪さ、「ドS」加減に、この作者はちょっとモノの見方が普通の人とは違うなと感じました。普通の人と違うということは、今までにあまり見たことない面白い切り口だということです。この貧乏神の性悪さは、相当に魅力があります。

普通なら、この貧乏神は美少女にする

貧乏神は、なんか猫とも、うさぎとも言えそうな、ファンシーな見た目の、マスコット的な外見なのですが、これは、安易にウケを狙うなら美少女キャラクターにすると思うんですね。物語にもヒロイン不在だったし。不幸を食う瞬間とか、食戟のソーマばりのサービスシーンを演出できると思うのですが、そこをやらないところが潔いというか、愚直というか、そこの感性も、一味違っていてよかったですね。まあ、物語の展開的に、ちょっと女の子のイメージではなかったですが。

 

長浜洋次郎、阿部英樹、中目黒、ラーメン、いくら検索しても情報が見つからない。 【レビュー】 未来への跳躍 長浜洋次郎物語 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年22号

なんだこれは?

「少年ジャンプ誕生秘話」と思い読み初めました。
週刊少年ジャンプ46周年記念特別読切と銘打たれ物語は始まります。46年は中途半端では?という思いは抱かせつつも、作品冒頭で

”その誕生の裏にある1人の男の壮絶なドラマがあった”

と、ジャンプ創業物語を期待させます。

主人公である洋次郎は貧乏な幼少期を過ごしています。
蕎麦屋を営む父は「3本の柱」を持てと教えます。

貧乏な幼少期が創業の原点となるように感じさせます。
また父の教えである「3本の柱」が、後に少年ジャンプの合言葉「友情・努力・勝利」となるように予感させます。

エロ本で狂う運命

父と洋次郎は二人共エロ本をきっかけとした事故により人生を大きく狂わせます。

ぼくは、この辺でこの作品を疑っても良かったと思うのですが、「なんて数奇な運命なんだろう」と物語に引き込まれるばかりでした。うまく出来てるんだよなあ。

最後まで読んでも気が付かなかった。

この作品を読み終わり、いろいろと釈然としませんでした。

あれ、ラーメン?

これが、この作品のオチだったと思うのですが、それでもミスディレクションされた事に気付かず、長浜洋次郎や阿部英樹、中目黒、ラーメンでさんざん検索しました。しかし長浜洋次郎氏や阿部英樹氏の情報は、まったく見つかりません。5分ほど検索し続けてようやく「あれ変だな」と気付き作品を読み返してみました。

確かにヒントはある

推理小説を読み返すようにもう一度丁寧に作品を読み返していくと、これがフィクションだというヒントが随所に隠されていました。

まず46周年というのは明らかにおかしい。
作者の大石浩ニは『いぬまるだしっ』の作者!
親子揃ってエロ本で事故って・・・・
ワンダイレクションとかダレノガレとか例えがおかしい
春のギャグカーニバルの中の一つ
決定的なのは最終ページの編集者コメント

”☆取材もしたし資料も渡したのにどうしてこうなった。”

モデルはいるのか?

取材もしたし、というコメントがあるのでモデルがいた可能性があると考え、いろいろ調べてみたのですが、ちょっと良くわからなかったですね。ジャンプ創刊をギャグ的に描く企画だったのが作者の暴走でこうなったのでしょうか?

それにしても、これはフィクションという事でいいんですよね?
実は、まだイマイチわからないです。

””は、集英社「未来への跳躍 長浜洋次郎物語」 作者:大石浩ニから引用

 

指系!空手漫画。これは週刊連載になってほしい。 【レビュー】 あっぱれ猿 読み切り 週刊少年ジャンプ 2014年21号

痛快な格闘漫画

 空手を題材にした格闘マンガです。主人公は少年漫画の主人公らしい性格の高校生で、理屈っぽいけど熱血野郎です。絵柄は最近のジャンプっぽくないですね。青年誌などに掲載されてそうな感じです。ヤンジャンやヤンマガ的な絵柄です。

空手家が指を鍛えるという設定

 昔の格闘漫画は派手な技を極めていくところにフォーカスしていました。凄いパンチとか凄いキックとかです。グラップラー刃牙とかホーリーランド等の作品からでしょうか?空手家の最大の凶器は指という説が始まりました。指が強いっていう設定は映画やアニメでは描きにくいですね。説明や一部だけを拡大する描写。漫画が最も指を表現しやすいです。「空手家は指が強い」という設定が好まれて格闘漫画で使われるのは、表現しやすいという理由があります。

指ってつえー

 ぼくが読んできた格闘漫画の中で最初に指を衝撃的に使ったのは『修羅の門』でした。指で密着した相手の腹に穴を開けるのです。脇腹とかみぞおちとか。指で刺すんです。これは強い。実際、総合格闘技の試合で使われた話は聞いたこと無いですが反則なんでしょうか?あるいは現実には不可能なのでしょうか?

 ホーリーランドで緑川ショウゴが使った貫手も印象が強かったです。格闘技術に対してナレーションが入る作品の形態上、指の強さを理解しやすかったです。

指系、王道空手漫画

 指を重要視する格闘漫画は本格的格闘漫画グループに入ります。そういう意味でこの作品は、かなり本格的でした。『修羅の刻』での西郷四郎のタコ足や、『軍鶏』で吉岡大吾が見せた切返しの様に足の指まで含める演出は伏線も含め、スカッとするものでした。リズムが良く一気に楽しく読めました。

セリフ回しが非常に個性的

 作品を読んでいただきたいのですがセリフ回しが非常に個性的です。理屈っぽいけど、結論は感情論みたいな独特な節回しで引き込まれるものがあります。また脇役のチャラ男がいるのですが、彼が非常にいいです。噛ませ犬として圧倒的な魅力がありました。主人公に理論的に罵られて逆上する様は、その後のヤラれっぷりと併せて必見です。あとはライバルキャラの顔がかっこいいですね。これは意外と大事かと。

これは週刊連載になってほしい

 この面白さなら週刊連載になってほしいですね。心配なのは週刊化する事により修行などを丁寧に描く事。この作品の魅力は試合と理屈っぽい台詞回しです。要するに試合と口喧嘩をバンバン見せて欲しいです。今回の短い読み切りの中でもトレーニング部分は少し退屈でした。もちろん、それはラストへの伏線になっているので軽視出来ないのですが。適切なボリュームを維持してほしいなと。