バツは罰のメタファー? 【感想】 聲の形 第57話

特別いい奴らでもないけど、特別悪い奴らでもない

結局石田の周りにいる連中は、特別いい奴らでもないけど、特別悪い奴らでもない、ようするに普通の連中だよなと。なんか行き違いがあったりすると喧嘩したり、嫌ったり、距離をとったり、いろいろなことがあるけど、それでも一人一人を見れば、悪くもよくもない普通という感じで、この作品は、そういう人間臭さがよく表現できていると感じます。毎回感心します。

永束君は常識の範囲でいいやつ

いいところも悪いところもという感じですが、永束君は、もうものすごい良い奴ですね。悪いところも最初の頃は多少描かれていましたが、最近では、良い奴一辺倒です。とはいえ、こういう人は現実にいますし、こういうふうに振る舞えることもあるでしょう。

硝子は常識を超えたいい人

彼女は、すでに常識を超えた感じがありますね。自己評価が低い故に、物事を自己責任化してしまうという設定はあるものの、性格良すぎます。ちょっと内向的で自分を責めてしまいがちな性格は気になりますが、ヒロインとしては完璧です。なんていうか、普通に考えても性格が悪い植野からみたら、癇に障ってしかたないだろうなと。

長年の付き合い。バツとさようなら

バツは罰のメタファーという話がありまして、石田は硝子をいじめてきた罰を人間関係がうまくいかないという形で受けてました。そして、そのメタファーとして、顔にくっつくバツが存在していたという話です。
この観点からいけば、今回で石田への罰は終わったと言えますね。
ようやく、硝子をイジメた過去から開放されたわけです。

石田は開放されても硝子はどうなの?

石田は、これですっかりと開放されて、みんなとも普通に仲良くやっていけるような様子になりましたが、さて硝子はどうでしょうか?
硝子が自分に自信をもって、自分の人生を前向きに歩み始める。そういった雰囲気や描写はまだあまり無い気がします。とくに石田と比べると少ないです。なので、ここまでで石田編が一段落で、そろそろ硝子が自分に自信を持つエピソードに突入していくのではないかと。というか、もうそろそろ最終回でしょうか。ちゃんと最後は、硝子が「幸せになりたい。幸せになっていいんだ」と前向きになってほしいですね。その隣に石田がいるといいのですが、そこは、作者はちょっとヒネるのかなあ。

真柴を過去から開放する映画。 【感想】 聲の形 第56話

映画がいつのまにか完成

音楽担当の島田と西宮の接触がどうなったのかとか、描かれないまま映画が完成してました。その辺りは来週以降触れられるのでしょうか。
もともと映画は、ヒーローものだったのですが、すっかりとヒューマンドラマになっていました。もともとの案は高校生が撮影するには不可能ですし、リアリティがある内容に落ち着いたと思います。
真柴の役が、彼のバックボーンと重なるような内容だったのには驚きました。真柴はいじめられたというほどでもないけど、本人的には友人たちにからかわれて傷ついて、ちょっぴり性格が歪んでいます。その辺りの背景を極端に表現したような映画です。
これは、演じた真柴の心境が気になるところです。また、この脚本を書いたのが川井というのも因縁じみていて面白いです。

友情のドラマ

この作品は、将也と西宮のコミュニケーションがテーマで、それがだんだんと愛情のようになっていってますが、結構友情も描くんですね。そもそも、将也にとっては島田たちとの友情を失ったことが重要でしたし、そのあとも永束との出会いで普通の人間関係がある生活を再生させていきます。そして、とびおりにつながった諍いも真柴、川井、永束との友情から生まれたものです。西宮が、将也の友情を壊してしまったことを気に病んでという感じです。

そして物語のクライマックスとも言える映画も友情にまつわるものでした。

将也と西宮のコミュニケーションがテーマというよりは、コミュニケーション自体がテーマといったほうがふさわしいのかもしれません。

永束君は本当にいいやつ

いろいろと癖がありますが、永束君は本当にいいやつです。西宮にもわかるように、映画を作ったり。

この映画では、イジメた側のエクスキューズが描かれていると感じました。「そこまで思っていたなんて」という部分です。
友達ではあるけど、なぜかイジメてしまう。それを後悔したり、謝ったり。

この映画で一番救われたのは、将也でなく真柴だったんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。

自分の眉毛をからかった友達を演じながら許すことができたのではないでしょうか?
将也との関係があり、この映画があり、真柴はまっすぐな自分を取り戻せたかもしれません。(もともと素直な性格かはわからないですし、そんな描写もないですけども)

 

無機質な阿部。 【感想】 阿部のいる町 第1話 新連載

イケメンに群がる女子

イケメンに群がる女子を、友達の視点から描いたコメディです。
テンポよくておもしろいです。モテモテの阿部を女子が追いかけ回すのですが、幼稚園児にまでしがみつかれる阿部です。園児の母親のアグレッシブさにクスっときました。

無機質な阿部

少年漫画のモテキャラは、大抵自分がモテることに気づいていない超鈍感野郎か、女子に興味ない系です。阿部は後者の、興味ない系ですが、心中が全く描かれないので、はっきりとはわかりません。

どうやって連載していくのか

これは設定がおもしろいので、まず引き込まれて一気に読んでしまいましたが、来週からは設定のインパクトだけでは勝負できません。どのように展開していくのか楽しみです。

 

ラストはむき出しの西宮か? 【感想】 聲の形 第55話

自殺騒動はハッピーエンドへ

硝子の母と将也の母のわだかまりもなくなり、今回の飛び降り騒動は、すっかりとハッピーエンドな感じです。将也にも後遺症的なものはなさそうだし、ただ、その中で気になったのが植野の存在です。

植野が毎日看病していた?

硝子は目覚めた将也に植野が毎日看病していたと伝えました。これを植野が聞いたら、また「何たくらんでるんだ」的な反応をするのでしょうか。将也の机を拭いていた硝子を、植野は、将也と仲良くなるための手段だと思っていました。ようするに植野は硝子の行動を「演出」と捉えているわけです。

硝子の真意は

彼女が自分をよく見せるために、「演出」をするようなタイプでないことは、すでに明らかですね。では、今回、植野を悪く言わないことは、何故でしょうか?

本当に植野が毎日看病していたと思っている。

毎日病室にいたのは確かだし、看病していたとも言えるかもしれません。少なくとも硝子は、そう思った。ということでしょうか?

植野に気を使った

植野が看病という気持ちで病室にいたわけでもなく、硝子の面会の邪魔をするためだったが、硝子にしてみれば、自分が悪いと思っているから、植野の行動を当然と感じていて、そこに対しての悪い感情がない。だから、単純に看病していたという事実だけを伝えた。あるいは、植野には、植野の気持ちがあるから、それを考えて、将也には、プラスの側面だけを伝えた。

もしくは植野の将也への好意や、自分への悪意を全部知ったうえで、それでも自分が悪いからと考えていて、彼女の性格から考えれば、それが植野への不満になることもなく、植野にとって良いようになったらいいと思っている。それは、植野と将也が仲良くすることでもあるが、それも願っているとか。

まあ、よくわかりませんが、さすが天使西宮です。
だんだん、人格にリアリティがないような感じになってきました。

ラストはむき出しの西宮か?

ここまで感情を表に出さない彼女が、将也との幸せを願って感情をむき出しにする最終回とかだったら号泣必死です。そう考えると、植野は最高の助演ですね。

最終回。まあ、満足。 【レビュー】 我妻さんは俺のヨメ 第98話 最終回

よかった

コメディ漫画らしい、いい終わり方でした。ちゃんと、それぞれの登場人物も参加させて、しっかりと終わった感じです。青島が最終的には、努力して現実的な目標を叶えている姿もいいですね。

新キャラクターを出せば

新しいヒロインを出せば、いくらでも物語を続けられるスタイルでしたので、逆に言えば、どこでも終われる感じでしたね。我妻さんというメインのヒロインはいても、同時にシルヴィアとか伊富さんとか、梶先生とか出す感じです。このパターンは、マガジンラブコメの王道ですかね。山田くんと7人の魔女も、それでも僕は君が好きも、これですね。

よくよく考えれば、できそうな話し

先生の力でタイムスリップを自由にできる感じなっていましたから、我妻さんに、マラリアを信じさせる方法はいくらでもありそうなものですが、そのあたりは最終回ということで、ずいぶんひっぱりましたね。いや、いいんですけど。とはいえ、最後はちょっと強引だったかなと。まあ、よかったね。

 

もう結婚するしかないな 【感想】 聲の形 第54話

将也が思ったより、大人でびっくり

なんていうか、先週終わった時点では、「なんであんなことしたんだ」的な話になって、もっと感情的な展開になるのかなと思っていました。そういう意味で、今回の将也の態度はかなり意外でした。将也の反省は本当に深くて、常にそれを考えているんだなと。「飛び降りる前に相談してくれたらいいのに」みたいな気持ちにはならないのは、本当に反省しているなら当たり前なのかもしれません。

手話でやられてもわからん

硝子がかなり手話で話すのですが、重要な話をしているようです。将也はそれを前提に話をすすめますが、これが何を言っているかわからないですね。自分がいると迷惑がかかる的なことを言っているのでしょうか。「死ぬほどじゃない」と言う将也ですが、理由は違えども、もともとは「死ぬ前に謝る」という気持ちで硝子に会いにいったのです。何か、因果応報というか。将也は硝子に再会してから成長したということだと思います。前を向いて生きる生き方を知ったというべきでしょうか。

もう結婚するしかないな

ここまでお互いを必要としているなら、最早結婚するしかないですね。どう考えても、それが一番幸せで、それ以上はないと思います。それで、二人で仲良くやっていけばいい。もう、高校3年生ですから、まあ大学出たら結婚しようねくらいの約束でもいいですけど。ただ、何か恋愛感情っぽい浮ついた感じがなくなっては来ましたね。もう少し、人間愛的な。とはいえ、硝子は「ちゅき」とか「うきぃ」とか言ってたわけですし。将也も硝子を守っていこうとか決意してましたよね。花火の時に。

完全な両想い

ということで、完全な両想いですから、直花さんがいくらがんばっても、無理ですね。

気になるのは、こんなクライマックス的な場面で掲載順番が非常に後ろなことです。人気無いのでしょうか?
打ち切り的な、終わり方は避けてもらいたいところです。

 

まぼろしじゃない。 【感想】 聲の形 第53話

将也からの夢

将也の夢が描かれるのが面白かったです。ただ、この夢の感じだと、退屈して退屈して仕方ない子どものまま将也は成長していくパターンですね。よく考えると、あの当時の将也はヤンチャ小僧としての魅力がありますが、そのまま成長したとしたら、ロクな大人にはならないなっていう危うさがありました。逆に今は、まったくそんなことがないですね。落ち着いている。そうなるには、いろいろなことがあったわけですが、ある意味で、硝子に救われたと言えるでしょう。

漫画的強引な展開

今週はかなり強引でした。まあ、この作品は、起きることは、ご都合主義で、登場人物の感情はリアルっていうのが、基本なので、それほど違和感ありません。

まぼろしじゃないか

将也は硝子を見てそう思うわけです。硝子もきっと将也を見て、まぼろしじゃないか、夢じゃないかと思ったんですね。だから、将也に触ってみて実体を確かめた。触れたことによってお互いに実体を感じて、夢じゃない現実だと気がつく。このときの気がつく瞬間の硝子の表情と将也のリアクションが非常に良かったです。この作品は、こういう見せ方が本当にうまいと思います。

来週は飛び降りたことに対しての会話が

たぶん、なんで飛び降りたんだっていう話を将也がすると思います。その辺は、すでに読者には明らかなところで新しい情報はないと思いますが、伝え方がきっと感動的というか切ない感じになるのかと。
それにしても将也が目覚めるの早かったです。映画が完成してから目覚めるのかと思ってました。あれですね、音楽担当の島田の連作先を硝子が持っていますから、硝子と一緒に島田に会いにいって、わだかまりをなくすという展開になるのかもしれません。

それにしても、文字少ないな。最近。

 

硝子は何を思ったのか?【感想】 聲の形 第52話 

文字がないから逆に何度も読んじゃう

今週も硝子主観です。そのせいか、また斬新な表現でした。ほとんど、文字がありません。彼女の表情を中心に、行動や視線で、物語が進みます。今週号で面白かったのは、文字はないのですが、読んでいる感じがすることです。
これは作者の画力、ようするに硝子の表情の力もありますし、ここまでの物語で描かれてきた伏線の力もあります。文字がないからこそ、一回で理解できないで、何度も読み返してしまいます。

絵だけで十分感情移入できる

物語を言葉で受け取ることに慣れすぎてしまったのかもしれませんが、絵だけで、ここまで感情移入できる表現に驚きました。もともと硝子の表情が魅力的な作品でしたが、今週はとくに、すごかったです。

硝子は何を思ったのか?

やはり彼女は、みんなの楽しい時間を自分が壊したと思っているのでしょうか?
将也の努力で、自分の人生は賑やかになった。将也も救われつつあった。でも、それを自分が壊してしまった。そう考えているように見えました。皆さんは、どう思いました?
ちょっとコミックスになったら、最初から続けて読みたいです。これは、週刊誌で読むのと、コミックスで読むのとで受け取り方が変わる回だと思います。

来週から解決に向かっていきそうな

映画の制作が、この作品において、こんなに大きな存在になると思いもしませんでした。映画の完成が登場人物たちの成長の象徴となりそうです。
この流れだと、完成とともに物語は終わるような気がします。

耳が聞こえない硝子の世界を表現。体感できました。【感想】 聲の形 第51話 

またまた勉強になりました。

今回は西宮硝子視点での物語です。硝子から見た周囲の世界を描いているのですが、その中で耳が聴こえないことを、うまく表現しています。彼女の場合は、完全に聞こえないのではなく、なんとなくは聞こえるという状態みたいですね。それを表現するためか、吹き出しの文字は、頑張れば読めるという感じになっています。硝子から見た世界なので、登場人物の言葉は全部このようになっています。

文字のはじが削れていて、言葉が硝子が発するような言葉になっています。例えば、「石田」だったら「いちだ」という感じです。この調子で基本全部ひらがなの、崩れた発音なので、読みづらい。というか読めない。でも、頑張れば微かに意味がわかるか。

なるほど。これが硝子の世界か。

納得してしまいました。面白い表現です。

目のいい人は、目の悪い人の視界がわからない

目のいい人は、目が悪い人のぼやけた視界は体験できなませんね。同じように、耳がいい人には、耳が悪い人の世界は体験できません。しかし、今回は疑似体験させていただきました。これは、なかなか理解できない。硝子の生活は大変だ。そう感じました。

非常にうまく表現できていると思いました。
あと気になったのは、文字の加工は難しそうだなと。どうやってやったんだろう。

石田が死んじゃいそうな終わり方

ちょっと今週の最後は不穏な感じです。この感じは、病室で石田が危篤みたいな展開を予想させます。虫の知らせを感じた硝子が病院に駆けつけたら、家族が集まっていてみたいな。そういう引き方です。とはいえ、ここで石田が死んじゃうのは、ちょっとわけわかんないというか、不必要な展開ですよね。そういうのは、読者も望んでないし、作品の方向性としても違うんじゃないかと。なので、雰囲気だけ、そんな感じで、特に、そんなことはないとは思いますが。

硝子の夢は切なかった

彼女の理想の小学校生活が夢として描かれるのですが、切なかったですね。そういったハッピーな小学校生活を送れる人もたくさんいるよなあと。

大人目線から見ると、やはり先生次第ですね。子どもは残酷ですから、絶対に障害をからかう子はいます。そこを、大人がうまくコントロールしてやらせないようにしないと。結局、いじめっこも、いじめられた子も、心の傷を負ったわけです。まあ、この作品では。
現実社会では、あまりいじめっ子が心の傷を負うことはないでしょうけど。

 

最終回。打ち切りの原因を考えてみる。 【感想】 天啓のアリマリア 第12話

ヒット要素全部のせで最短打ち切り

さて、本作は、あっさりと打ち切りになってしまいました。連載開始時には、ヒット要素全部のせで、絶対にヒットさせてやるぞという意気込みが感じられた作品だけに残念です。少し敗因を考えてみたいと思います。

トリックが明かされるまで長い

ギャンブル勝負をする主人公たちですが、予想外の方法で勝負に勝ちます。それ自体のアイデアは面白いのですが、いちいち翌週に引っ張るので興味が薄れてしまったのかもしれません。最初は、もっと贅沢にネタばらしをしたらよかったかも。

感情移入できる男の登場人物がいない

同じような知恵比べ勝負ものでマガジンで安定して連載しているアクマゲームと比べると、魅力的な男のキャラクターがいないです。やはりマガジンの読者は少年が多いでしょうから、「こんなふうになりたい」と憧れの対象になるような、登場人物が必要だったのでは。
ギャンブル物でうけている作品は、最後の最後で男気で勝つみたいな作品が多いです。ちょうど、今週のアクマゲームが上杉潜夜メインで、対照的です。

エロ要素はもう望まれてない

これは勝手な予想ですけど、漫画の中でエロい要素は、それほど望まれていないのかと。ネットを調べれば、いくらでもそういったものは見れますし、やはり漫画に望んでいるのは、もう一歩深いものなのかと思います。エロでもただのエロじゃなくて、キャラクターをしっかりと立たせた上でのということになると思います。「山田くんと7人の魔女」が、そのあたりは、よくできていると思います。アリマリアは、モブキャラを脱がせるだけなので、いくらいい絵を描いてもエロさが伝わらなかったのかと。

絵は好きだった

個人的に、絵は好きでした。マンガボックスとも連動した企画なので、ある程度は長期連載するのかと思いましたが、意外にも、最短コースの3ヶ月で終了です。残念です。作者の次回作に期待します。ヘコタレないで頑張ってください。