2巻完結
著者:六道神士
ジャンル:現代惨事コメディ
特色:不条理 惨事 コメディ 微エロ 微暴力 微反倫理
六道氏の十八番の多少倫理に背く感じの漫画です。
人によっては不快に感じるブラックユーモアがありますので、人を選ぶ作品です。
主人公の楯葉心記(たてはもとき)が、付き合っている彼女、七見朱波(なみあげは)と終に一線を、というところで、急に朱波の姉、蛇目(じゃのめ)先生に割り込まれます。
実は心記は蛇目先生が作りだした人工生命体で、この世界に心記と朱波の未来だけは確実にないといい出します。
ただ、別のパターンの世界を試すことができます。
その試す方法は単純で、心記か朱波が死ねば「やりなおし」となるというもの。
この世界が話し中に切り替わって、心記か朱波かもしくは両方が死んでは新たな世界を試す、という流れで進んでいきます。
少々分かりにくい話し軸ではありますが、コメディな部分は六道氏の色がよく出ています。
漫画のサバイバル知識で、あらゆる困難を乗り切ろうとする朱波の知識が、あーそんな漫画あったなぁ…と懐かしい気にさせてくれました。
同級生として登場する、心記を狙う男装した姫島陽炎(ひめじまかげろう)と、その陽炎を同姓なのに好き、と悩むヘーラ・左丹(ヘーラ・サタン)の人間離れしたパワーで、殺されかける心記が何か可哀想で面白いです。
また、後半は敵っぽくなってくる百足(ももたり)先生の、先生らしからぬ発言もカオスです。
個人的にはこの3人が面白くて、笑いのツボを刺激されます。
朱波は必ず死ぬ。
心記と結ばれる前に、愛しあう前に。
心記に叶うのは繰り返す事だけ。
朱波を死を認めなければ朱波は死なない。
だが、辛くなったら朱波の死を認めればいい。
究極の愛の形ではありますが、それをコメディにしてしまうブラックユーモアをぜひ楽しんでもらえればと思います。
この記事は黒羽様の許可を頂いて転載しております。
この記事の作者:黒羽様
転載元URL:黒羽コミックレビュー
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