漫画:石田あきら
原作:橙乃ままれ
キャラクター原案:水玉螢之丞・toi8
ジャンル:ファンタジー
特色:無名 人間 魔物 政略 経済 心理
勇者が魔王を倒す。
ファンタジーの定番ですが、このクエスト発生によって経済的にどのようなことがあったかなど、経済や政略面を表に出している作品です。
女性魔王の前に現れた勇者に、まずは半日でいいから話しをさせてほしいと魔王が切り出していきます。
戦争による経済や人間・魔界の成長などを話し、戦争が終わる事の意味を諭します。
この戦争の向こうにある、「未だ見ぬもの」を、お互いのものになって一緒に歩んでいくというお話しです。
内容的には経済面や各国、各部族の心理などを元に、様々な駆け引きが行われつつ、進んでいきます。
また、特色として、登場人物に固有の名前がありません。
「勇者」「魔王」「メイド長」「女騎士」など、抽象的な呼び方がされます。
このあたりは賛否あるかとは思いますが、原作者としては、魔王や勇者が別名を名乗っても、頭上に勇者・魔王とでているので、読者それぞれのイメージがそのまま想像できるというのがいいのではと対談で言っています。
名前を覚えるのが苦手な私としては、非常に助かりました(笑)
魔王と勇者のぎこちなくも恋人っぽいお付き合いも、ほのぼのしてて好きです。
政治経済部分は可能な限り分かりやすく記述されていますが、このあたりは普通の格闘ファンタジーをイメージする人には少し合わないかもしれません。
ただ、そもそもファンタジーの魔王と勇者ってなんだろう、と思う人は、読んでみると違う視点が開けて面白い作品かと思います。
※ このシリーズは、小説や別路線の漫画、アンソロジーなどが出ていますので、購入の際ご注意ください。
この記事は黒羽様の許可を頂いて転載しております。
この記事の作者:黒羽様
転載元URL:黒羽コミックレビュー
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