【レビュー】 勇午 漫画:赤名修 原作:真刈信二

世界を感じれる漫画

この漫画のざっくりとした構造は、主人公:勇午が交渉者(ネゴシエーター)として世界各地に赴き、様々な交渉を繰り広げるというものです。
そしてその交渉の背景に、それぞれの国の文化や歴史、民族性などが深く関わってきます。

その国独特の心情に触れて交渉を成功させる

勇午の交渉の面白さは、交渉相手の懐に入り込むことです。
例えばパキスタン編では勇者と認められなければ交渉の席につくことも出来ませんでした。
そのために勇午は精神を神と一体化(極度の集中状態)させナイフで自分の腕を突き刺します。
刺したナイフを動かすことにより骨が折れているような描写もあります。
しかし極度の集中状態まで高まった勇午は痛みを感じません。
もちろんこの集中状態に勇午が至れる描写は伏線として描かれています。
そうした相手の文化や歴史、民族性に入り込むことで交渉を成功させていくのが勇午のスタイルで、このスタイルは作品として非常に新しいなと思いました。

毎回出てくる美女も魅力

たいていのエピソードで魅力的な美女が出てきて勇午は彼女たちと協力したり反目したり利用されたりしながら、
物語を解決に導いていきます。これもこの作品の読みやすさの一つになっていると思います。

海外にいる気分

もう一つの勇午の作品の魅力は、読者が本当に海外にいるような気分にさせてくれる事です。
沢木耕太郎の深夜特急のような、旅モノの魅力にあふれています。

何故これほど生々しく表現出来るのだろうと思っていたのですが、単行本の中の作者のコメントを読んで分かりました。
毎回作品の舞台になる現地に取材に行っているようです。
しっかりとした現地取材に基づき作られた作品だったので、これほどのリアリティが出るのだと納得出来ました。

それぞれの国の様々な事情をエンターテイメントとして勉強でき、様々な美女とも出会えて、旅気分まで味わえる。
勇午オススメします。

-講談社 「勇午」 漫画:赤名修 原作:真刈信二-

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