メールだと耳が聴こえないなんて分からない。 【レビュー】 聲の形 第32話

将也の不器用さが泣ける

将也が結絃を元気づけようといろいろと頑張るのですが、その時の将也の不器用さが凄く感動的でした。不器用だから伝わる懸命さが非常にうまく表現できていてだからこそ結絃にも思いが伝わるような、そういう美しいシーンでした。こういうのを描かせるとこの作者は本当にうまいですね。

メールだと耳が聴こえないなんて分からない

将也と硝子がメールでやり取りをする場面があるのですが、メールだと耳が聴こえない感じなんて全くしないんですね。当たり前なんですけど普段手話や筆談でコミュニケーションを取っている硝子がメールになると別人のように感じるわけです。彼女は耳が聴こえないから話すことも出来ないんですね。だから彼女の人格っていうのは言葉じゃなくて表情とか身振りで表現されているわけです。それがメールだと彼女の声がダイレクトに聴こえたような気がして、いやまあ漫画だから言葉も音じゃなくて文字だし、そういうのも関係ありますけど、なんか硝子が「普通に話した」感じがしたんですよ。

チャットって喋ってる感じじゃない?

硝子は耳が聞こえなくてもチャットとかだったら喋ってる感じになるんだろうなと。じゃあ、いつでも端末持って外でもチャットしてたらいいじゃんとも考えたのですが、要するにそれが手話なのかなと。手話も慣れてくると外国語とかと一緒で普通に会話できるようになるのでしょうから。そう考えると耳が聴こえないってのは周囲の理解と協力(スキル)があれば、そんなに大変な問題じゃないのかもと感じました。軽々しく言えないですけど

ちょっと漫画的過ぎたかも

なぜぼくが耳が聴こえないことがそんなに大変な問題じゃないのかもと感じたのかというと、実のところ物語の展開でうまく思わされた気がします。今週は冒頭で硝子の耳が聴こえない事が発覚した当時の話がされるのですが、そこであまりにも極端に漫画的(悪い意味で)に耳が聴こえない事をネガティブに扱うんですね。そこの表現は極端に漫画的すぎて少し安っぽく、あまり良くなかったです。しかし、それによってメールのやり取りとか将也の不器用さとか硝子の真っ直ぐさを感じる事が出来たわけで、なんだかんだ言っても今週も良く出来ているという事ですね。

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