弱い相手を魅力的に描くことができる。 【レビュー】 ハイキュー!! 第114話

なんか烏野メチャクチャつよい

結局、この数試合彼らは圧倒的に強いわけですね。なんか相手の選手をしっかりと描いているので、いい勝負しているような雰囲気ですけど、スコア的にも内容的にも烏野が負ける要素はまったくない。当然、全国に行こうかどうかを争うチームになっていないといけないわけですから、当たり前と言えばそうなんですが、リアルですね。

高校バレーの一発勝負

やっぱり高校スポーツはトーナメント一発勝負だからいいですね。実力差があっても相手の学校をしっかりと描くことによって、逆に、「こいつら負けてほしくない」「物語の展開上勝てないとしてもがんばってほしい」そんな風に思ってしまうのですね。そうなってくるともう、読者としては勝負の結果はどうでもよくって、相手高校の選手達がベストを尽くせるか、将来に向けて何か得ることが出来るのかっていう別の軸が生まれてきます。

弱い相手を魅力的に描くことができる

あまりスポーツ漫画で、こういうのはなかったと思うんですね。基本的に強いから魅力があるわけで、いまいち弱い連中でも、友情やバレーへの哲学、人間関係で、魅力を出すわけです。試合そのものよりも、人間を描いていくという。なんとなく読んでる感じはソウルキャッチャーズに似ているんですよね。この作品は。

心を描くスポーツ漫画

こんな感じの新しいジャンルなのかもしれません。まあ、最早、ジャンプで人気を得るスポーツ漫画は、何かしら新しい要素があるのですが、この作品に関して言えば心理描写や人物の背景の描き方がよく出来ていると思います。スラムダンクで、ここ一番で使うような心理描写を毎回行うというイメージですね。小暮のスリーポイントの時の回想みたいなパターンを毎週やるという感じです。いや、ハイパフォーマンスですよね。