笑ゥせぇるすまん「日曜クラブ」より ~なぜ笑ゥせぇるすまんは長く愛されるのか~

「笑ゥせぇるすまんNEW」が2017年に放映される等、「笑ゥせぇるすまん」は実に長く愛されている作品です。今回は、その人気の理由をアニメ79話「日曜クラブ」を例に説明します。

【あらすじ】

内名木(53)は、月曜日にどうしても遅刻してしまう「月曜拒否症」。このままでは全面的な会社拒否症になると警告した喪黒は、彼を「日曜クラブ」に連れて行き…。

アニメ版のこの話の結末は大変おぞましく仕上がっています。数多のうめき声が建物中に響き渡ります。しかしこの結末こそ、笑ゥせぇるすまんが愛される理由を感じます。ポイントは「恐怖」と「比較」です。

まずは「恐怖」です。そもそも「怖いもの」を好んで見たがる人が少なからずいます。笑ゥせぇるすまんだけでなく、ホラー映画やデスゲーム系のマンガ等も人気がありますね。

これは、タナトス(死の欲動)といわれ、人の心にはエロス(生の本能)とタナトスが、コインの裏表のように存在しています。コインの「表」を認識するためには、「裏」を見る必要があります。それと同様に、人は自分の「生」の有難みを知る手段として、あえて「死」に向き合うことで、バランスを取るのです。バランスが取れると、人は落ち着きを払えるようになります。

次に、「比較」です。喪黒に唆される人物は総じて心の弱さを露呈しています。彼らを見て我々はどんな気持ちを抱くでしょうか。

「あ~あっ」と憐れんだり、「しょうがないなぁ」と呆れたりと、彼らを下に見ることはあっても上には見ません。

これは「社会比較理論」の「下方社会的比較」といい、自分と自分より劣る人を比べる心理です。効果として、「自分の境遇はあの人よりはマシ」と、優越感や自信を得ることができます。

この2点は、笑ゥせぇるすまんの話ほぼ全てに当てはまります。生を実感し、ホッとする。つまり、「癒し」の作品なのです。時代が変わっても、癒されたい、自分は大丈夫と思いたい、そう願う気持ちは変わらない。それがこの作品の醍醐味ではないか。

作品の登場人物のように疲れた時には、まず生きていることに感謝し、下方社会的比較して自信を取り戻しましょう。

…とはいえ、下方社会的比較は度が過ぎると、向上心を無くし、無気力になり、内名木さんのようになってしまうので程ほどに…。

ホ~ッホッホッホッホッ!!

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