高校生で起業
今週から連載を再開した銀の匙です。学生起業を志した八軒です。
ぼくは八軒が起業するという目標を立てた事を非常に面白いと思っています。
彼が何故起業を志したかといえば農家経営の厳しさがあり、それを少しでも解決していきたいという想いから始まっています。
これはなんというか「社会起業家」的だと思います。
利益を最大の目標とせず社会に存在する問題を解決することを目標とする組織です。
有名な例はバングラデッシュのムハマド・ユヌスが作った仕組みである「マイクロファイナンス」です。
貧困層は高利貸しから融資を受けて商売するしかなく、いくら働いても金利で全てが消えててしまうという悪循環的な社会問題を低金利無担保融資で解決した社会事業です。
八軒がやりたい事もそういう事じゃないかと思います。
追い詰められている農家を救っていく、もっと有効な事業にしていく。
彼はもともと農家の働き方に疑問を持っていました。
いくら必死に働いても子供の学費も捻出できないのは何か間違っているという疑問を持っていました。
その自分の疑問、心の声が彼を動かしていると思います。
事業計画を作る必要はない
ぼくの個人的な意見ですが八軒がやろうとしている事業は過去に例がないものです。
今まで誰もやったことのない事業、あるいは成功させた人のいない事業になるでしょうから、その場合詳細な事業計画を会社を作る前に立てるのはあまり意味が無いと思います。
目標が決まっていてもアプローチは途中で絶対に変わるからです。
『リーン・スタートアップ』というビジネス書がありますが、彼が取るべきアプローチはリーン(ムダのない)であるべきで、まずは仮説を作って実験を繰り返すほうがいいですね。下宿代とかは親が出してくれる訳ですから、仮説を検証するための数十万円のコスト程度をアルバイトで稼いだらいいと思います。
事業計画書通りに事業が進むことはなく先に出資なんかさせても自由を失ってニッチもサッチもいかなくなるでしょう。
クラウド農業
今までの展開を読んでいて思いついた事業はクラウド農業です。
家庭菜園などの農業をちょっとやってみたい素人にネットで農業を教えたりする事業です。
八軒の兄がインターネット教師をやっていて、それとの対比の様に起業の話が始まっていますので要素としては作品世界でも揃っているのかなと。
今回ものんびりまったりライフ
今回も八軒たちはのんびりまったりライフを満喫していました。
本人たちはそんな気持ちはないのかもしれませんが美しい自然の中でのびのびやってます。
夜空とか星が綺麗だなあ。東京はそんな風にはいかない。
名言が多い作品
この作品は毎回名言が多いのですが今回はこういった言葉がありました。
”他人のために労を厭わない奴に人は付いて行くものだ。”
今回はこれが刺さりました。前にも出てたっけな、この台詞。
なんかいろいろ考えられる漫画
読んでると起業とか自然とか可愛い女の子とか友情とかなんかいろいろな事が考えられる作品です。
考えさせる作品っていう、かたっ苦しい感じじゃなくて。考えられる作品。ぼくにとってはそこが魅力です。
-週刊少年サンデー 2014年15号 銀の匙 Silver Spoon-
””は、小学館「銀の匙 Silver Spoon」 作者:荒川弘 から引用