江戸くらいには戻れる
鉄がなくなったらどうなるのかという壮大な実験のようなテーマの、本作ですが、作中でヒロインが江戸時代には鉄もなかったから戻れるというようなことを言います。今は、一時的な混乱がある過渡期だというんですね。これはぼくも最初のほうから読んでいて、気になっていたことで、過渡期だから混乱していて、鉄がなくても秩序と社会を保って生活することはできるはずということを考えていました。
ちゃんと考えて作りこまれている
ご都合主義の面白いアイデアの作品ではないと感じました。鉄がなくなったら社会はどうなる。それをまずリアルにシュミレートして、その中で、どんな状況の人たちを描いたら面白いかを取り出して作品にしていると思います。主人公にこういう冒険をさせたいから、世界をこうしたという感じじゃないんですね。だから、ヒロインから、そもそものバイオレンスな世界の魅力を壊すような発言もあっさり出てくると。
今後見て行きたいのは
なにかを鉄の代わりにしながら、しっかりとした社会を構築していく人々。たぶん鉄がなくなっても、そのなくなるスピードによりますが、社会はそれほど大きく変わらないと思います。本当に江戸時代はそれで成立していたわけですから。ただ、今まで鉄を利用してきたわけですから、過渡期の大変さはありますね必ず。今回描かれているのはそういう物語なんだと思います。