津軽三味線の音色が絵を通じて伝わってくる【ましろのおと】感想 レビュー

なぜ、今回は少年誌なのか

「ましろのおと」は、羅川真里茂先生による作品ですが、羅川先生は今までは、「花とゆめ」という少女雑誌で作品を出されていましたが、今回はなぜ「月刊少年マガジン」という少年雑誌なのでしょう。あいにく、色々調べても、わからなかったんですが、ついつい考えてしまいます。考え出すと頭から離れません。

「ましとのおと」は津軽三味線の世界を舞台にした漫画で、主人公やそのライバル達は今のところ(コミックで言う14巻まで)男性ばかりで、それぞれイケメンです。これらは、別に少女雑誌にそぐわない内容ではないと思いますし、津軽三味線の世界というのも、別に女性奏者やファンもたくさんいるので、男性向けというわけではないように思えます。まあ、別にいいのですが少しだけ気になります。

何故、津軽三味線なのか

これもどうでもいい謎なんですが、何故「津軽三味線」だったのしょうか。作者の羅川先生が青森の出身だというのは知っているのですが、他の地方に比べて津軽三味線に馴染みが多少なりともあるのはわかるのですが、ご本人が演奏されるのかどうかはわかりません。

音楽を題材にした作品は沢山あるかと思いますが、もっとメジャーな楽器が多いような気がします、なんせ、結局は絵で、文字で音を表現しないといけないですから。私はたまたま津軽三味線を少しは弾くんで、その音には馴染みがあるんで、漫画を読んで音をイメージすることはできるのですが、そうでない方に音をイメージさせつのは結構難易度の高い仕事のような気がするのですが。確かに、吉田兄弟や上妻さんをはじめ、少しメジャーにはなってきたような気はしますが、まだまだマイナーな部分も多い気がするのですが。

澤村兄弟はやっぱり男前

主人公の澤村雪と兄の澤村若菜、この2人ややっぱり男前でかっこいいです、彼らのライバルとなる緒方洸輔しかりです。しかも楽器で人を感動させることができて、さらに決してギラギラした欲望みたいなものを前に出さないし、少しストイックな求道者タイプです。こうなれば、もてないはずがないです。

澤村雪は高校生で東京にでてくるなり、グラドルを目指すキャバクラのおねえちゃんの世話になったり、少しの間編入していた高校でも、ファンができます。しかし、あくまでも恋愛モノという方向には振っていかないのです。あくまで、津軽三味線という少しマニアックな楽器の求道者という像を外しません。今後は、少しでも女関係が出てくることがあるのでしょうか、それも楽しみです。以前に羅川先生の作品でゲイを扱ったものもありましたが、まさかとは思いますが。

複雑な人間関係を圧倒的な音

少しずつ明らかにされていくのですが、人間関係が結構複雑です。澤村雪の母は梅子といって、ビジネスで成功しているのですが、息子2人を祖父の津軽三味線の名人松五郎に預けて青森を出ます。ここまではいいのですが、澤村兄弟は実は神木流絃という神木流の師範の子供で、その神木流絃こと田沼源造の子供が田沼総一と田沼舞だけれども彼らは源造の実の子ではない養子なんだけど、総一と舞が血がつながっているかどうかはまだ不明でといった感じです。これから明らかにされていいくのかもしれませんが、物語に一種に緊張感とニヒルさを与えています。

そして、やっぱり音の表現が凄いです。津軽三味線って、もちろん3本の弦(糸と言います。)弦楽器なんですが弦楽器としての要素と打楽器としての要素を併せ持つもので、しかもわざと音を割れて共鳴させつためのものがついていたりと結構表現しにくい音だと思うのですが、伝わってくるのが凄いです。ここまで連載が続いているのだから、津軽三味線にあんまり馴染みのなかった方にもつたわっているんだと思います。

これからどういうバリエーションの音を伝えながら展開していくのか楽しみです。

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