横山光輝の三国志の何が凄い?蒼天航路との比較

蒼天航路によって三国志にもう一度脚光が当たりましたが、日本における三国志ブームは まずは吉川英治の三国志で、次は横山光輝、光栄のゲームでしょう。

漫画としては横山光輝の画いた三国志が金字塔だと思います。 そこで横山光輝三国志と蒼天航路を比べてみます。

作画: 漫画の進歩、作品への労力の掛け具合によって圧倒的に蒼天航路が勝ります。 しかし横山光輝三国志は構図が分かりやすく登場人物の動きは非常に分かりやすい。 簡単さというのが魅力になっています。難点は人物たちの顔が似ているので、たまに見分けがつかなくなる事。 そもそも蒼天航路の作者の王欣太は圧倒的に画がうまいですね。

ストーリー: 蒼天航路は、三国志正史をベースにする事が多く、横山光輝三国志は完全に演義をベースにしています。 少し不思議ですが正当な三国志は演義のほうなのです。仙人が出てきたり孔明が風を吹かせたり出来るほうが正統な三国志です。 そもそも三国志と日本で言われているものは三国志演義なのです。横山光輝三国志の魅力は全60巻で沢山の人物を描いていることです。 省略はあると思いますがかなり細かく画いています。そして登場人物たちの感情や行動がシンプルでわかり易いのも特徴です。 蒼天航路は人間の内面を描く試みを行っているので分かりやすさは犠牲になっていると思います。

発行部数:あまり意味ないですが比べてみます。 蒼天航路約2000万部 横山光輝三国志7000万部 蒼天航路は、今はもっと多いかもしれません。20年くらいすると追い抜くかもしれませんね。

画力や漫画の進化により蒼天航路が良くて当たり前かと思いましたが、 比較する事で横山光輝三国志の魅力が浮き彫りになりました。 とにかく表現が平易なので三国志の複雑な物語が初心者でも理解しやすい。 マンガの素晴らしさの一要素は”分かり易さ”ですから、そういう意味で非常に成功している作品です。 理想は、横山光輝三国志で正統的な三国志演義の物語を踏まえてから蒼天航路を読む事でしょう。 最も楽しめると思います。

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