差別社会アルマトランの物語 【レビュー】 マギ 第216話

先週から引き続きソロモン王の物語。

ソロモン王の物語が紐解かれることによって、それぞれのジンや王の器(シンドバッドやアリババ)の登場人物たちの意味、アルサーメンが何なのか明らかになっていきそうだ。

ソロモン王の外見

これは予想通りといった所だろうか。
アラジンを少し精悍にしたような顔立ちだった。
額にある紋章のようなものも一緒だ。
今まで回想で出てきたソロモン王は初老のようなイメージだったので所見では、意外に若いという印象だ。

差別社会アルマトラン

アルマトランでは人間以外の知的生命体を人間が知能を奪って支配してる。
支配し支配されるという構造は実のところマギの本質的なテーマだ。
単行本第一巻に出てくる領主(モルジアナを奴隷として支配していた悪いやつ)が、すでに人を支配したいという欲求を口にしているし、自分より偉い国王が居て、自分が支配されているのが許せないとも言っていた。

黄牙一族、バルドッド、マグノシュタット、すべて支配する者される者の話だ。
唯一の王が必要か否かなど露骨に権力の話は盛り込まれているのでもはや隠れたテーマでもないのだろう。
しかしマギは『キングダム』(ヤングジャンプ連載中)のように最初から国取物語というアプローチを取っていない。
当初はアラジン、アリババ、モルジアナの漫遊記的な物語だ。
一般人として市井に関わっていく3人がいるからこそ支配構造の歪を際立たせている。

そして別世界アルマトランも支配する者とされる者の葛藤ある世界だった。

レジスタンスを組織しているソロモン

アルマトランでのソロモンの立ち位置はマギであるアラジンとは違う。
王を選出する者であるマギに対してソロモンは王そのものになる。
志の正邪の違いこそあれバルドッド編に登場したカシムのような立場だ。
このレジスタンスには後にジンとなるソロモン王の眷属が名を連ねていて今週号ではそれが紹介されている。
ウーゴくんもいる。
こういった元々知っているキャラクターの過去が明らかになっていく仕掛けは非常に楽しい。

ソロモンの現在の革命活動

ソロモンはレジスタンスのリーダーとして、知能を奪われて支配されている知的生命体の解放を行っている。
異種族は特殊な塔からでる魔法の力で考える力を奪われているため、各地の塔の機能を停止する事がソロモンの目下の目標のようだ。

マギ 第217話 予測

現在のソロモン王は誰に似ているかと言えば性格面ではシンドバッドに一番似ているように感じる。
ただシンドバッドよりも直言家で思っている事をはっきりと、そして比較的辛辣に口にするようだ。
来週以降ソロモンの個性が更に明らかになっていくだろう。そして今回登場した魔導士側の人物シバとの心の交流があるていどなされていくだろう。
このシバが練玉艶かもしれない。ただ練玉艶はアルマトランのマギであったらしいからシバ=練玉艶だと考えると少し力不足感がある。

これから物語がどう明らかになっていくのか楽しみだ。

-週刊少年サンデー 2014年14号 マギ-