結絃の死体写真の意味が切なすぎる。凄すぎる伏線回収。 【感想】 聲の形 第45話

植野の気持を考えてみる

先週からメチャクチャしている彼女です。彼女は言うことなす事理不尽で、盗人猛々しいというキャラクターが定着していますし、最初からそういった役割を与えられています。
作品として、彼女は最初から噛ませ犬なんですね。登場時は猫でしたけど。彼女が将也にちょっかいを出すことによって硝子は将也への気持に気がつく。それともう一つの役割もあります。イジメっ子の代弁者です。

彼女はイジメっ子としての理屈を言い続けます。キライなのに入ってくる硝子が悪い。イジメられてもしかたない。歌えないのに合唱に参加する硝子が悪い。などなど、イジメっ子の理屈を披露します。イジメが仕方ないと彼女はぬけぬけと言うわけです。これは作品としては非常に大切なことだと思います。合唱なんて授業ですから、硝子はやるしかないわけです。植野の理屈は、ものすごい身勝手ですが、人間がときに、そういった考え方をしてしまうこともあるし、それを植野で表現してきたわけです。

なぜ硝子を殴るのか

植野が硝子に手を出したのは、ちょっと衝撃的でしたが、手を出さないとしても硝子を憎む気持を植野は持っているのでしょうね。彼女は10年近く将也を思い続けているわけです。自分のことがキライと言って、努力もしない(植野からみたら)女が、その将也を傷つけたわけです。(これも事実とは違うけど植野の認識では)いろいろ、逆恨みですけど、彼女の側から見たら、硝子はずっと好きだった男性を意識不明にした女になるわけです。

植野は植野で切ない

彼女は、まったく硝子のことは考えられないんですね。将也に嫌われることばかりを今週も気にしていました。この自分勝手さは、なかなか酷いです。まあ、ただ、彼女は、彼女で切ない部分があります。小学生のころから将也が好きで、これ、たぶん大好きだったんですね。にも、かかわらずクラスの雰因気で、無視しなきゃいけなくて。なんとかして近づけたと思ったら、無視の原因になった硝子と将也は両想い。

結絃の死体写真の意味が明らかに

そういう意味だったとはまったく気が付きませんでした。硝子が子どものころ言った言葉は、想像出来たし、死体写真を見て硝子が気持ち悪がるのを結絃が喜んでいる描写も散々ありましたし、ヒントはいっぱいあったのですが、つながってませんでした。これは、すごい伏線回収でした。ビックリしたし、結絃の愛情に感動しました。そして、切なかったです。よく出来てるなあ。

これからの展開

たぶん、硝子が強くなっていくんだと思います。彼女が、どうして怒らない性格なのか前回明らかになりました。だからこそ次は強くなる段階だと思います。今週のラストシーンの硝子の表情は、それを表していました。ただ、自殺に至ったきっかけはいまだによくわかりません。なにかあったはずです。そこは、語られないのでしょうか。
正直、続きが気になりすぎて1週間待てない。

コメント

  1. アルパッカ より:

    植野が、西宮のことを全く考えていないというのは、無いと思います。
    全話で植野は、佐原に「こいつ(西宮)はあたし達の気持ちを考えずに~」といったことを言っています(うろ覚えですみません)。
    あたし「達」から、植野は植野なりに、西宮とどう接していくか考えていたと思います。勿論、その根底にあるのは「石田と仲直りしたい」という願望です。だからこそ、結果的に石田を傷つけてしまった西宮に対し、植野は暴行を加えました。「石田を傷つけたから」が一番の理由ではありますが、「自殺で自己解決しようとしたから」という理由も、僅かにあると思います。
    また、今週号で、植野は暴行を加えたことを後悔しています。「石田に嫌われる」と言ってますけど、その前のセリフから、むしろ「手を出した自分への嫌悪感」からきてると思います。実際、橋の暴露合戦の時も、「自分が嫌になる」というセリフを言ってますし。植野はそれ程自分勝手ではないというのが、今のところの個人的な見解です(それでも自分は西宮派ですが)。
    否定的なコメントですみません(汗)。あと結弦の写真の伏線には自分も度肝抜かれました。

    • 深いコメントありがとうございます。嬉しいです。
      確かに言われてみると、植野が、あそこまで取り乱すのは「石田を傷つけたから」だけじゃないかもしれませんね。
      これちょっと突拍子もない予想なんですが、花火の帰りに西宮が不良?に絡まれて、それを助けたのが植野(と植野の家族)かもしれないなと。
      花火の日、植野も屋台の出ている辺りにいる描写があるんですね。一コマですけど。
      それで偶然、西宮を見かけて助けた的な。
      で、この過程だと、読者がまだ知らない、西宮と植野の、やり取りがあるわけです。西宮は植野と別れたあと自殺を選んでいるという状況になります。
      植野からすると、「助けてやったのに」とか「がんばれっていった」のに、とか、なにか「こいつ(西宮)はあたし達の気持ちを考えずに~」と、余計言いたくなるようなエピソードがあるのかもと。
      自殺するとき西宮に帯がないですから、そこの謎に植野が絡んでいるという予想です。
      あんなにキレるなら、もうひとエピソードあるのかもしれないと。

  2. 流浪の漫画人 より:

    切ないからといって行った行動の悪質さは擁護できるものではないと思いました。

  3. 流浪の漫画人 より:

    西宮さんの自殺のきっかけに不良に襲われたとかそういったエピソードは特に無いと思いますよ?
    ショーヤとのデートの時から西宮さんが思い詰めてる事は明らかでしたし、デート>お菓子作り>花火と続く一連のエピソードで、西宮さんの自殺への決意というか覚悟のようなものが見て取れますよね(1巻でショーヤが自殺を決意して色々行動していたのと同じようなものです)。
    「私といると不幸になる」と言いつつショーヤを遠ざけない事に対してユズルが疑問に思うシーンがありましたが、これも明らかに自殺への伏線ですし(つまり自殺という解決手段を既に用意して決意しているから、今さら遠ざける必要も無いという事)。
    ここで不良に襲わせるとか無意味な演出を入れる必要は全くありませんし、自殺への伏線やきっかけはデート時から充分ありましたから。
    浴衣の帯については、付けたままだとベランダの柵に登る動作が難しいからじゃないですかね。
    もしくは浴衣の帯とは飾りの面が強いので、家では動きづらい飾り帯を外す場合もありますし。

  4. 流浪の漫画人 より:

    結婚してくれれば良かったのに・・・

  5. 流浪の漫画人 より:

    植野のイジメの理由は「人間がときに、そういった考え方をしてしまう」おっしゃる通りでしょう。
    これは、ナメクジに塩をかけている感覚で西宮をいじめていた石田とは違うということです、なので石田と違って植野は簡単には反省できないしするわけにいかないのです。
    硝子と将也は恋愛的なイミで両想いでもなんでもありません。
    将也の側に硝子への恋愛感情はない、と作者さんにきっぱり言われました。
    そして植野の想いが成就する可能性十分、とも。