無情にも10話で打ち切り。 【レビュー】 トーキョーワンダーボーイズ 第10話

ついに打ち切り

連載3回目くらいから、打ち切りの気配がただよっていた当作品ですが、とうとう本当に終わってしまいました。なんていうか、敗因のようなものを分析してみようかと思います。

あまりにマニアックだった設定

二人の主人公が所属するチームはJリーグですらなく、JFLのチームでした。J2じゃないよね?まあ、とにかく、一部リーグですらないんですね。そもそもプロスポーツを漫画で描くのは難しいと思います。高校サッカーや野球と違い、プロは負けても続くので緊張感が作りにくいことと、同じ相手と何度も戦うのでドラマも作りにくい。また、試合数も多いので、丁寧に描けば非常にテンポが悪くなる。プロスポーツを題材にするには、スポーツニュースのダイジェスト的な感じで普段は物語をすすめて、ポイントでしっかりと描くというパターンになるでしょうね。そもそもかなり難しい舞台設定に挑んだと思います。

海外サッカーを前面に押し出して始めた

ゴールは、JFLのチームが海外サッカーに勝利するというものなのですが、そもそもクラブワールドカップ自体が、チャンピオンズリーグやワールドカップに比べると真剣度の低い大会ですから、盛り上がりに欠けていました。素直に海外リーグに挑戦する高校生の主人公という設定で始めてもよかったかもしれません。

二人の主人公

タイプの違う二人の主人公を出したのも、まずかったようです。どちらも主人公というか、どちらが主人公かよく分からない感じでした。さらに、二人に影響を与えた伝説の選手のような登場人物もいて、イマイチ焦点が絞りきれなかったです。

お色気なし

実は、これは評価したいです。最近の漫画は初期のほうでお色気キャラを出して人気を取りに行きますね。この作品ではそういったことを一切しませんでした。ヒロインも胸がないという設定で、徹底的に萌え要素を排除しています。まあ、黒子のバスケのサッカー版を狙った感じもあるので、女性向けだったのでしょうか。だから、主人公はイケメン二人という構成でしょうか。セレッソ大阪のような女性ファンを獲得しようと考えたのかもしれません。安易な、エロシーンがなかったのは良かったです。

難しいことに挑み過ぎたのかも

普通に主人公一人で海外サッカーで、ホームステイ先には巨乳姉妹がいて、みたいな設定だったら、もっと長生きしたかもしれませんね。あとは、サッカーの一つ一つのプレーを、もっと衝撃的に表現してもらえれば。次回作、楽しみにしています。