サッカー漫画考察 【ジャイキリ】モンテビア山形佐倉監督、【フットボールネーション】東京クルセイドスカウティング担当嵯峨

当たり前の話ですが、サッカー漫画はサッカーをプレイしている場面が主な描写ポイントとなります。しかし、漫画を読む人、あるいは、原作者が特に考える、自分の漫画を読んでもらいたい読者となると、必ずしもサッカー経験者である必要はない訳です。いや、サッカーを知らない人をも取り込むには、どういった描写が必要なのか…などどいったことにも、日々腐心していることと思います。

「キャプテン翼」や「BE BLUES」、あるいは「DAYS」といった作品はプレイヤー目線での描写が多く、「BE BLUES」あたりは、学生時代に部活などでサッカーを経験していた人が熱狂的な読者になるという話もよく見聞きします。

サッカープレイヤーで居る事に早々と挫折した私などからすると、プレイヤー目線よりも非プレイヤー目線に共感を覚えることが多く、中でも「ジャイアントキリング」のモンテビア山形の佐倉監督や「フットボールネーション」の東京クルセイドスカウティング担当の嵯峨の2人には共感をおぼえます。

ふたりとも、サッカーを観る戦術眼は物凄く長けているものの、プレイヤーとしての能力が低く、プレイヤーとしては挫折をしています(まあ、嵯峨のリフティング500回というのは、プレイヤークラスの能力だとは思います)。そんな彼らでも、チームを勝たせるためにはどうすべきか、どうあるべきか、そんな中で自分の役割は何なのかを考えながら動いています。

ずっとプレイヤーで居続けている人達からすれば、分かり合えない部分も多いかと思いますが、それでも「サッカーが好きである」という気持ちについては、プレイヤーたちのそれと変わらない訳ですから、「チームを勝たせたい」「チームに貢献したい」という気持ちにも嘘はないのです。

そんな彼らを見ていると、自分にも、何故そういう道を見つけられなかったのだろうかと、少々後悔の念にすら駆られます(実際こういう人がリアルにどの位いるのだろうか?皆無だとしたら、物語の中の絵空事になりますし、何人かいるのならば、今後の日本のサッカーに何かをもたらしてくれることを期待したいです)。

そんな私の思いも込めて、この2人が物語にどう絡んで、話がどのように展開していくのか…目が離せません。